海外資産・国際税務
2026年2月21日2分で読める2

米国LLC(有限責任会社)の税務:日本人オーナーの課税と申告義務

田中 雅彦

税理士・公認会計士

米国LLC(有限責任会社)の税務:日本人オーナーの課税と申告義務

米国LLC(有限責任会社)の基本

米国LLC(Limited Liability Company)は、米国の法人形態の一つで、有限責任(出資額を超える責任を負わない)と税務上のパス・スルー課税(法人段階での課税なし)を組み合わせた柔軟な法人形態です。日本人富裕層が米国での不動産投資・事業・資産管理に利用することがあります。

米国LLCの税務上の取扱い(米国・日本)

税務の場面米国での課税日本での課税
LLCの事業収益・賃料収入パス・スルー課税(メンバーに帰属)日本居住者は全世界所得として申告
LLCのメンバーへの分配課税なし(パス・スルー済み)課税なし(パス・スルー済み)
LLCの持分の売却キャピタルゲイン税(連邦・州)申告分離課税(20.315%)・外国税額控除
米国源泉所得(賃料・配当等)源泉徴収(30%または租税条約適用後の税率)外国税額控除で二重課税を排除

日本での申告義務

日本居住者が米国LLCのメンバーである場合、以下の申告義務があります。①確定申告:LLCのパス・スルー収益を日本の所得として申告(外国税額控除を適用)。②国外財産調書:年末時点の国外財産(LLC持分等)の合計額が5,000万円超の場合に提出義務。③国外財産に係る財産債務調書:LLC持分等の詳細情報の申告。④外国関連会社情報(Form 5471等の日本版):一定の要件を満たす外国法人の株主は、外国関連会社に関する情報の申告義務があります。

まとめ:米国LLCの税務は日米両国の専門家との連携が必要

米国LLCの税務は、米国の連邦税・州税・源泉徴収税と日本の所得税・国外財産調書等の申告義務が複雑に絡み合います。米国LLCを利用した投資・事業を検討する場合は、米国の税務弁護士・CPA(公認会計士)と日本の国際税務に精通した税理士の両方と連携して、適切な税務コンプライアンスを確保することをお勧めします。

#米国LLC#パス・スルー課税#外国税額控除#国外財産調書#国際税務
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