非上場株式の相続税評価の概要
上場株式は市場価格で評価されますが、非上場株式(同族会社・オーナー企業の株式)は市場価格がないため、財産評価基本通達に基づいて評価します。非上場株式の評価方法には、①類似業種比準方式、②純資産価額方式、③折衷方式(両者の組み合わせ)があり、会社の規模(大会社・中会社・小会社)によって適用方法が異なります。
類似業種比準方式と純資産価額方式の違い
類似業種比準方式は、上場企業の株価を基準に、評価会社の配当・利益・純資産を比較して評価する方法です。会社の利益が少ない場合に評価額が低くなる傾向があります。純資産価額方式は、会社の純資産(資産−負債)を基準に評価する方法です。含み益がある資産(不動産・有価証券等)を多く保有する場合に評価額が高くなります。
| 会社の規模 | 適用方法 | 類似業種比準の割合 |
|---|---|---|
| 大会社(従業員70人以上等) | 類似業種比準方式 または 純資産価額方式 | 100% |
| 中会社(大・小の中間) | 折衷方式(類似業種比準+純資産価額) | 60〜90% |
| 小会社(従業員5人以下等) | 純資産価額方式 または 折衷方式(50%) | 50% |
株式評価額を下げる合法的な対策
非上場株式の相続税評価額を下げる合法的な対策として、①役員退職金の支給(純資産の減少・利益の減少)、②不動産の購入(純資産価額方式での評価減)、③配当の実施(純資産の減少)、④会社規模の拡大(大会社化により類似業種比準方式の適用)などがあります。ただし、評価額引き下げを主目的とした行為は否認されるリスクがあるため、事業上の合理的な理由が必要です。
まとめ:事業承継と株式評価の対策は早期着手が重要
非上場株式の相続税評価は、会社の財務状況・規模・業種によって大きく異なります。事業承継を見据えた株式評価額の管理は、早期に着手することが重要です。税理士・事業承継専門家と連携して、自社株式の評価額を定期的に確認し、評価額引き下げ対策を計画的に実施することをお勧めします。



