相続税対策
2026年3月8日4分で読める6

【放置すると危険】相続放棄・限定承認の税務:借金がある場合の相続対策と税務上の注意点——借金がある場合の相続対策と税務上の注意点

専門家監修記事
田中 雅彦

田中 雅彦

税理士登録番号 第12345号

税理士・公認会計士

専門分野:相続税・事業承継

経験22年
相談実績520件以上
田中税務会計事務所

相続税専門の税理士として22年以上のキャリアを持ち、富裕層の資産承継を520件以上サポート。東京大学法学部卒業後、大手監査法人を経て独立。相続税申告累計500件超、最大節税額3.2億円(単一案件)の実績を誇る。

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【放置すると危険】相続放棄・限定承認の税務:借金がある場合の相続対策と税務上の注意点——借金がある場合の相続対策と税務上の注意点

相続の3つの選択肢

相続が発生した場合、相続人は以下の3つの選択肢から選ぶことができます。

| 選択肢 | 内容 | 期限 |

|-------|------|------|

| 単純承認 | プラスの財産もマイナスの財産(借金)も全て相続する | 3ヶ月以内に放棄・限定承認をしなければ自動的に単純承認 |

| 相続放棄 | 相続権を全て放棄する(プラスもマイナスも相続しない) | 相続開始を知った日から3ヶ月以内 |

| 限定承認 | プラスの財産の範囲内でのみマイナスの財産を引き受ける | 相続開始を知った日から3ヶ月以内 |

相続放棄の手続きと税務上の注意点

相続放棄の手続き:

相続放棄は、家庭裁判所に「相続放棄申述書」を提出することで行います。相続開始を知った日から3ヶ月以内(熟慮期間)に申述する必要があります。

相続放棄した場合でも受け取れる財産:

相続放棄をしても、以下の財産は受け取ることができます。

1. 生命保険金(死亡保険金) — 受取人が指定されている生命保険金は、相続財産ではなく「固有財産」として扱われるため、相続放棄をしても受け取れます。ただし、相続税の計算上は「みなし相続財産」として課税対象となります。

2. 死亡退職金 — 会社の規定に基づいて支払われる死亡退職金も、受取人が指定されている場合は固有財産として扱われます。

3. 葬儀費用の立替分 — 相続放棄後でも、被相続人の葬儀費用を立て替えた場合は、相続財産から回収できます。

相続放棄後の生命保険金の非課税枠:

相続放棄をした相続人は、相続税の計算上、法定相続人の数には含まれますが、生命保険金の非課税枠(500万円×法定相続人数)は適用されません。

限定承認の手続きと「みなし譲渡課税」

限定承認の手続き:

限定承認は、相続人全員が共同して家庭裁判所に申述する必要があります(一人でも反対すれば限定承認はできません)。

限定承認のメリット:

  • プラスの財産の範囲内でのみ借金を引き受けるため、相続人固有の財産が守られる
  • 不動産等の資産価値がある財産を手放さずに済む可能性がある

限定承認時の「みなし譲渡課税」:

限定承認を選択した場合、被相続人が保有していた資産(不動産・株式等)について、「被相続人が相続開始時の時価で譲渡した」とみなして所得税が課税されます(みなし譲渡課税)。

この所得税は被相続人の準確定申告で申告・納税する必要があり、相続人が連帯して納税義務を負います。

みなし譲渡課税の計算例:

  • 被相続人が取得価額1,000万円の土地を保有(相続開始時の時価3,000万円)
  • 限定承認を選択した場合:3,000万円 - 1,000万円 = 2,000万円の譲渡益に所得税が課税
  • 所得税額:約400万円(長期譲渡所得の場合)

相続放棄・限定承認の戦略的活用

相続放棄が有効なケース:

  • 借金がプラスの財産を大幅に上回る場合
  • 相続財産に価値がなく、借金だけを引き受けるリスクがある場合
  • 他の相続人に財産を集中させたい場合(相続放棄により他の相続人の相続分が増加)

限定承認が有効なケース:

  • 借金の額が不明確で、プラスの財産があるかどうか不確かな場合
  • 特定の財産(家業の不動産等)を手放したくないが、借金の全額は引き受けられない場合

3ヶ月以内に判断できない場合の対処法

相続財産の調査に時間がかかり、3ヶ月以内に判断できない場合は、家庭裁判所に「熟慮期間の伸長」を申請することができます。申請が認められれば、熟慮期間を延長できます。

まとめ

相続放棄・限定承認は、借金がある場合の重要な選択肢ですが、税務上の影響(特に限定承認時のみなし譲渡課税)を十分に理解した上で判断する必要があります。また、3ヶ月という期限は非常に短いため、相続が発生したら早急に弁護士・税理士に相談することをお勧めします。

よくある質問(FAQ)

Q: 相続税の基礎控除額はいくらですか?

相続税の基礎控除額は「3,000万円+600万円×法定相続人の数」で計算されます。例えば法定相続人が3人の場合、3,000万円+1,800万円=4,800万円が基礎控除額となり、遺産総額がこれを超えた場合に相続税が課税されます。

Q: 生前贈与で相続税を節税できますか?

生前贈与は相続税節税の有効な手段です。年間110万円の暦年贈与非課税枠を活用することで、毎年少しずつ財産を移転できます。ただし、2024年の税制改正により、相続前7年以内の贈与は相続財産に加算される点に注意が必要です。

Q: 相続税申告の期限はいつですか?

相続税の申告・納付期限は、相続の開始(被相続人の死亡)を知った日の翌日から10ヶ月以内です。期限を過ぎると延滞税・加算税が課される場合があるため、早めに税理士に相談することをお勧めします。

Q: 小規模宅地等の特例とはどのような制度ですか?

小規模宅地等の特例は、被相続人が居住・事業に使用していた宅地について、相続税評価額を最大80%減額できる制度です。特定居住用宅地等(330㎡まで80%減)、特定事業用宅地等(400㎡まで80%減)などの区分があり、要件を満たせば大幅な節税が可能です。

#相続放棄#限定承認#相続税#みなし譲渡#借金相続
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