相続税対策
2026年3月12日2分で読める3

相続税の申告漏れ・修正申告:税務署の指摘前に自主的に修正する方法

佐藤 健一

税理士・不動産鑑定士

相続税の申告漏れ・修正申告:税務署の指摘前に自主的に修正する方法

相続税の申告漏れはなぜ起きるのか

相続税の申告は、相続財産の全体像を把握した上で行う必要がありますが、被相続人の財産が多岐にわたる場合、申告漏れが生じやすくなります。特に、①名義預金(被相続人が実質的に管理していた家族名義の預金)、②生命保険の死亡保険金、③退職手当金・功労金、④海外資産、⑤贈与財産(相続開始前3年以内の贈与)などは、見落とされやすい財産です。

修正申告と更正の請求の違い

相続税の申告後に誤りを発見した場合、その誤りの内容によって「修正申告」と「更正の請求」のどちらを行うかが異なります。修正申告は申告した税額が少なかった場合(申告漏れ・計算誤りで税額が増える場合)に行い、更正の請求は申告した税額が多かった場合(過大申告で税額が減る場合)に行います。

手続き使用する場面期限加算税
修正申告(自主)申告漏れ・過少申告(税務調査前)制限なし過少申告加算税なし(延滞税のみ)
修正申告(調査後)税務調査で指摘された場合調査後速やかに過少申告加算税10〜15%
更正の請求過大申告(税額が多かった場合)申告期限から5年以内なし(還付加算金あり)

自主的な修正申告のメリット

税務調査が開始される前に自主的に修正申告を行うと、過少申告加算税(通常10〜15%)が課されません。延滞税(年利8.7%〜14.6%)は発生しますが、加算税がない分、税務調査後の修正申告と比べて大幅に有利です。特に、申告漏れ額が大きい場合は、自主申告による節税効果が顕著です。

よくある相続税の申告漏れ事例

税務署の調査で最も多く指摘される申告漏れには、①名義預金(親が子・孫名義で積み立てた預金)、②生前贈与の加算漏れ(相続開始前3年以内の贈与)、③生命保険の非課税枠の誤り、④土地の評価誤り(路線価の適用誤り・地積の誤り)、⑤海外資産の申告漏れなどがあります。これらは税務署も重点的に調査する項目です。

まとめ:申告漏れに気づいたら早期に専門家へ相談

相続税の申告漏れに気づいた場合は、税務調査の前に自主的に修正申告することで、加算税を回避できます。申告漏れの発見から修正申告の提出まで、税理士と連携して迅速に対応することが重要です。特に、名義預金・海外資産・生前贈与の加算漏れは、税務調査で必ず確認される項目のため、申告時から慎重に対応することをお勧めします。

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