フリーランス・個人事業主の経費計上の基本
フリーランス・個人事業主の所得税は、事業収入から必要経費を差し引いた「事業所得」に課税されます。必要経費を漏れなく計上することで、課税所得を減らし、所得税・住民税・個人事業税の節税が可能です。経費として計上できるのは、事業に直接関連する費用(事業関連性のある費用)に限られます。
家事按分の計算方法
自宅を事業に使用している場合、家賃・光熱費・通信費などの費用を事業用と家事用に按分して、事業用部分のみを経費に計上できます。按分の基準は、①面積按分(事業用スペース÷総床面積)、②時間按分(事業使用時間÷総使用時間)、③使用割合(実際の使用状況に基づく合理的な割合)などがあります。
| 経費の種類 | 按分の基準 | 経費計上の例 |
|---|---|---|
| 家賃・住宅ローン利息 | 事業用スペース÷総床面積 | 自宅の20%を事業使用→家賃の20%を経費計上 |
| 光熱費(電気・ガス・水道) | 面積按分または時間按分 | 電気代の30%を事業使用→電気代の30%を経費計上 |
| 通信費(インターネット・電話) | 使用割合(事業:家事) | スマホ代の60%を事業使用→60%を経費計上 |
| 車両費(ガソリン・保険・減価償却) | 走行距離按分(事業走行÷総走行) | 年間走行の70%が事業用→車両費の70%を経費計上 |
青色申告の専従者給与と青色申告特別控除
青色申告を選択している個人事業主は、①青色事業専従者給与(配偶者・家族への給与を経費計上)と②青色申告特別控除(最大65万円)の2つの特典があります。青色事業専従者給与は、実際に事業に従事している家族に支払う給与を経費計上できる制度で、給与の適正額(市場相場)の範囲内で設定する必要があります。青色申告特別控除65万円は、電子申告(e-Tax)または電子帳簿保存法に基づく電子帳簿保存を行っている場合に適用されます。
まとめ:経費の漏れなく計上と按分の合理的な根拠が重要
フリーランス・個人事業主の節税は、事業に関連する経費を漏れなく計上し、家事按分の合理的な根拠を記録することが重要です。按分の根拠(面積図・使用記録等)を保存しておくことで、税務調査時にも適切に対応できます。税理士と連携して、経費計上の漏れがないか定期的に確認することをお勧めします。
よくある質問(FAQ)
Q: 所得税の確定申告が必要な人はどのような人ですか?
確定申告が必要な主なケースは、①給与収入が2,000万円超、②給与以外の所得が20万円超、③2か所以上から給与を受けている、④医療費控除・住宅ローン控除(初年度)等を申告したい、⑤副業収入がある、⑥不動産所得・譲渡所得がある、などです。
Q: ふるさと納税の節税効果はどのくらいですか?
ふるさと納税は、寄付金額から自己負担2,000円を引いた金額が所得税・住民税から控除されます。年収500万円の給与所得者の場合、上限約6万円程度まで実質2,000円の自己負担で返礼品を受け取れます。ワンストップ特例制度を利用すれば確定申告不要で手続きが簡単です。
Q: iDeCoで節税できる金額はどのくらいですか?
iDeCo(個人型確定拠出年金)の掛金は全額所得控除(小規模企業共済等掛金控除)の対象です。例えば年収800万円の会社員が月2.3万円(年27.6万円)を拠出した場合、年間約8〜9万円の所得税・住民税が軽減されます。運用益も非課税で、受取時も退職所得控除・公的年金等控除が適用されます。
Q: 不動産所得の赤字で給与所得を減らせますか?
不動産所得の赤字は、給与所得等と損益通算(合算)することで課税所得を減らせます。ただし、土地取得に要した借入金の利子は損益通算の対象外です。また、不動産所得の赤字のうち、土地取得借入金利子相当額は損益通算できない点に注意が必要です。


