法人税節税
2026年3月19日4分で読める10

【10年間活用】法人の繰越欠損金の活用:赤字を10年間繰り越して法人税を節税する方法——赤字を最大限に活かし、将来の法人税負担を劇的に軽減する戦略

専門家監修記事
伊藤 誠

伊藤 誠

税理士登録番号 第67890号

税理士・中小企業診断士

専門分野:法人節税・事業承継

経験19年
相談実績340件以上
伊藤誠税理士・中小企業診断士事務所

中小企業診断士と税理士の資格を活かし、経営改善と節税を一体的に支援。製造業・建設業の事業承継案件に豊富な実績を持ち、自社株評価の引き下げ戦略が得意。名古屋を拠点に東海地方の中小企業オーナーから厚い信頼を得ている。

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【10年間活用】法人の繰越欠損金の活用:赤字を10年間繰り越して法人税を節税する方法——赤字を最大限に活かし、将来の法人税負担を劇的に軽減する戦略

繰越欠損金とは何か

法人が事業年度において損失(欠損金)を計上した場合、その欠損金を翌期以降の事業年度に繰り越して、将来の黒字(所得)と相殺することができます。これを「繰越欠損金」といいます。2016年度税制改正以降、繰越期間は最長10年間(2016年3月31日以前に開始した事業年度に生じた欠損金は9年間)となっています。繰越欠損金は、法人税の節税において非常に重要な制度です。

繰越欠損金の控除限度額

繰越欠損金を使って所得を減少させる場合、控除できる金額には上限があります。中小法人(資本金1億円以下等)は所得の100%まで控除できますが、大法人(資本金1億円超等)は所得の50%までしか控除できません。この控除限度額の違いにより、大法人では繰越欠損金があっても毎期最低50%の所得に対して法人税が課税されます。

法人の区分繰越欠損金の控除限度額繰越期間
中小法人(資本金1億円以下等)所得の100%10年間
大法人(資本金1億円超等)所得の50%10年間
更生法人・再生法人等所得の100%10年間

欠損金の繰戻還付制度

中小法人は、欠損金を翌期以降に繰り越す代わりに、前期の所得に繰り戻して法人税の還付を受けることができます(欠損金の繰戻還付)。前期に黒字で法人税を納付していた場合、当期の欠損金を前期の所得と相殺して、納付済みの法人税の一部を還付してもらうことができます。資金繰りが厳しい時期に特に有効な制度です。

M&A後の欠損金引継ぎ制限

M&Aにより他社を買収した場合、被買収会社が保有する繰越欠損金を引き継ぐことができます。しかし、税務上の「欠損金の引継ぎ制限」(法人税法57条の2等)により、一定の要件を満たさない場合は欠損金の引継ぎが認められません。特に、欠損金目当てのM&A(いわゆる「欠損金買い」)は否認されるリスクがあります。M&A後の欠損金引継ぎについては、事前に税理士・弁護士と詳細な検討を行うことが重要です。

まとめ:繰越欠損金は計画的に活用を

繰越欠損金は、法人税節税の重要な手段ですが、控除限度額・繰越期間・引継ぎ制限など、複雑なルールがあります。特に、赤字が発生した事業年度の翌期以降の利益計画を立てて、繰越欠損金を計画的に活用することが重要です。また、欠損金の繰戻還付制度を活用することで、資金繰りの改善にも役立てることができます。

よくある質問(FAQ)

Q: 法人税の実効税率はどのくらいですか?

法人税の実効税率は、法人税・地方法人税・法人住民税・法人事業税を合算すると、大企業で約30〜33%、中小企業(所得800万円以下)では約23〜25%程度です。資本金1億円以下の中小企業には軽減税率が適用されます。

Q: 役員報酬で節税できますか?

役員報酬は法人の損金として計上できるため、法人税の節税になります。ただし、役員報酬には「定期同額給与」「事前確定届出給与」「業績連動給与」の3種類があり、これらに該当しない場合は損金不算入となります。また、役員個人には所得税・住民税が課税される点も考慮が必要です。

Q: 経営セーフティ共済(中小企業倒産防止共済)の節税効果は?

経営セーフティ共済は、掛金(月額5,000円〜20万円)を全額損金算入できる節税効果の高い制度です。最大240ヶ月(20年)積み立て可能で、解約時には掛金の最大95%が戻ります。年間最大240万円の損金算入が可能で、中小企業オーナーに人気の節税手法です。

Q: 法人で不動産を保有するメリットは何ですか?

法人で不動産を保有する主なメリットは、①減価償却費を損金算入できる、②修繕費・管理費等の経費計上が容易、③役員退職金の原資にできる、④相続対策として有効、⑤消費税の還付を受けられる場合がある、などです。ただし、法人設立・維持コストや不動産取得税・登記費用も考慮が必要です。

#繰越欠損金#法人税節税#欠損金繰戻還付#M&A節税#中小法人
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