相続財産の寄附と相続税の非課税
相続または遺贈により取得した財産を、相続税の申告期限(死亡から10ヶ月)までに一定の公益法人等に寄附した場合、その寄附財産は相続税の課税対象から除外されます(相続税法70条)。これにより、相続財産を社会に還元しながら相続税を節税することができます。
寄附による相続税非課税の対象法人
相続税の非課税対象となる寄附先は、①国・地方公共団体、②公益社団法人・公益財団法人、③認定NPO法人・特例認定NPO法人、④独立行政法人・国立大学法人等、⑤社会福祉法人・更生保護法人などです。一般社団法人・一般財団法人(公益認定を受けていないもの)・学校法人(一部除く)・宗教法人は対象外です。
| 寄附先の種類 | 相続税非課税 | 所得税の寄附金控除 |
|---|---|---|
| 国・地方公共団体 | ○ | ○(全額控除) |
| 公益社団・財団法人 | ○ | ○(特定公益増進法人) |
| 認定NPO法人 | ○ | ○(税額控除または所得控除) |
| 一般社団・財団法人 | × | ×(原則) |
寄附による相続税節税の注意点
相続財産の寄附による相続税非課税には、①申告期限(10ヶ月)までに寄附を完了すること、②寄附した法人が公益法人等の要件を満たすこと、③寄附した法人が寄附財産を公益目的事業に使用すること(使用見込みがある場合も可)、④寄附した法人が特定の個人・団体の利益を図る目的で設立されていないことなどの要件があります。また、寄附した財産が寄附者(相続人)や特定の個人の利益になる場合は非課税が認められません。
まとめ:社会貢献と相続税節税を両立する寄附戦略
相続財産の公益法人等への寄附は、社会貢献と相続税節税を両立できる有意義な手段です。寄附先の選定・申告期限内の手続き・非課税要件の確認など、専門的な知識が必要なため、税理士と連携して計画的に実施することをお勧めします。また、生前に遺言書で寄附の意思を明確にしておくことも重要です。

