不動産賃貸業の「事業的規模」とは
不動産賃貸業が「事業的規模」(社会通念上の事業として認められる規模)を満たすと、青色申告の特典が拡大されます。事業的規模の判定基準は、①アパート・マンション等の貸室が10室以上、または②独立家屋の貸付が5棟以上(5棟10室基準)です。この基準を満たすと、不動産所得の計算において多くの税務上の特典が受けられます。
事業的規模の税務上の特典
| 特典の種類 | 事業的規模の場合 | 事業的規模でない場合 |
|---|---|---|
| 青色申告特別控除 | 最大65万円(電子申告の場合) | 最大10万円 |
| 事業専従者給与 | 配偶者・家族への給与を経費計上可 | 不可 |
| 貸倒損失 | 全額を必要経費に算入可 | 回収不能が確定した年に算入 |
| 損失の繰越 | 青色申告の場合、3年間繰越可 | 繰越不可 |
| 減価償却費の計上 | 同様に計上可 | 同様に計上可 |
個人から法人化のタイミング
不動産賃貸業の規模が拡大した場合、個人から法人(不動産管理会社・資産管理会社)への移行を検討することで、さらなる節税効果が期待できます。法人化のメリットは、①法人税率(中小企業の実効税率約25〜35%)が個人の最高税率(55.945%)より低い、②役員報酬・退職金の損金算入、③相続税対策(法人株式の評価引き下げ)などです。法人化のタイミングは、不動産所得が概ね年間1,000万円を超えた場合が目安とされています。
まとめ:事業的規模の達成と法人化で節税効果を最大化
不動産賃貸業の節税は、①事業的規模(5棟10室)の達成による青色申告特典の拡大、②法人化による税率差の活用が重要な戦略です。不動産の取得・管理・法人化の計画を、税理士と連携して総合的に立案することをお勧めします。


