不動産節税
2026年3月20日3分で読める1

土地信託を活用した不動産節税2026:仕組み・税務・相続対策への活用法

佐藤 健一

税理士・不動産鑑定士

土地信託を活用した不動産節税2026:仕組み・税務・相続対策への活用法

土地信託とは何か

土地信託とは、土地所有者(委託者)が信託銀行・信託会社(受託者)に土地を信託し、受託者が土地の有効活用(建物建設・賃貸等)を行い、その収益を受益者(通常は委託者本人または家族)に分配する仕組みです。

土地信託は「財産管理型信託」と「有効活用型信託」に大別されます。不動産節税の観点では、主に有効活用型信託が活用されます。

| 信託の種類 | 目的 | 主な活用場面 |

|---|---|---|

| 財産管理型信託 | 認知症対策・財産管理 | 高齢者の財産管理 |

| 有効活用型信託 | 収益最大化 | 更地の有効活用 |

| 家族信託 | 相続・認知症対策 | 家族間の財産承継 |

| 遺言代用信託 | 遺産分割の円滑化 | 相続対策 |

土地信託の税務上の取り扱い

信託設定時の税務

土地を信託に設定しても、委託者と受益者が同一人物(自益信託)の場合、税務上は「資産の移転」とは扱われません。したがって、信託設定時に譲渡所得税・不動産取得税は課されません。

ただし、登録免許税(土地の固定資産税評価額×0.3〜0.4%)は発生します。

信託期間中の税務

信託期間中の収益(賃料等)は、受益者に帰属します。受益者が個人の場合は不動産所得として申告し、法人の場合は法人税の対象となります。

減価償却:信託財産(建物)の減価償却は、受益者が行います。

固定資産税:信託財産の固定資産税は、受託者(信託銀行等)が納付しますが、実質的には受益者の負担となります。

相続税対策としての土地信託

信託受益権の相続税評価

信託受益権の相続税評価は、信託財産(土地・建物)の評価額と同額となります。したがって、土地信託を設定しても相続税評価額は変わりません。

ただし、以下の方法で評価を引き下げることができます。

建物建設による評価引き下げ:更地(自用地評価)に建物を建設して賃貸に出すことで、「貸家建付地」として評価減が適用されます。

小規模宅地等の特例:信託受益権の相続でも、一定要件を満たせば小規模宅地等の特例が適用されます。

ステップ1:信託を活用した財産の分割

信託受益権は分割・分配が容易です。土地の共有分割(共有物分割の複雑さ)を避けながら、複数の相続人に受益権を分配することができます。

ステップ2:受益者連続型信託

受益者連続型信託を設定することで、「自分の死後は配偶者に、配偶者の死後は子に」という形で受益権を承継させることができます。これにより、遺言書なしに財産の承継先を指定できます。

家族信託との比較

家族信託(民事信託)は、信託銀行ではなく家族(子・孫等)を受託者とする信託です。

| 比較項目 | 土地信託(商事信託) | 家族信託(民事信託) |

|---|---|---|

| 受託者 | 信託銀行・信託会社 | 家族(子・孫等) |

| 費用 | 信託報酬(年1〜2%程度) | 設定費用のみ(低コスト) |

| 専門性 | 高い(プロが管理) | 受託者の能力に依存 |

| 柔軟性 | 低い(信託約款に制約) | 高い(自由に設計可能) |

| 認知症対策 | 可能 | 可能 |

よくある質問(FAQ)

Q1. 土地信託を設定すると、土地の所有権はどうなりますか?

A1. 土地信託を設定すると、法律上の所有権は受託者(信託銀行等)に移転します。ただし、受益権(経済的利益を受ける権利)は委託者・受益者が保有します。

Q2. 土地信託の信託報酬はどのくらいですか?

A2. 信託銀行の信託報酬は、信託財産の評価額の年1〜2%程度が一般的です。収益の一定割合を報酬とする場合もあります。

Q3. 信託受益権を贈与する場合の税務は?

A3. 信託受益権の贈与は、通常の財産の贈与と同様に贈与税の対象となります。評価額は信託財産(土地・建物)の相続税評価額と同額です。

Q4. 土地信託は認知症対策になりますか?

A4. なります。信託設定後は、委託者が認知症になっても受託者が財産管理を継続できます。ただし、信託設定時に委託者が判断能力を有していることが前提です。

Q5. 家族信託と土地信託(商事信託)はどちらがお勧めですか?

A5. 費用を抑えたい場合や柔軟な設計が必要な場合は家族信託、専門的な管理が必要な大規模な不動産や、受託者となる家族がいない場合は土地信託(商事信託)が適しています。

Q&A よくある質問

Q

土地信託を設定すると、土地の所有権はどうなりますか?

A

土地信託を設定すると、法律上の所有権は受託者(信託銀行等)に移転します。ただし、受益権(経済的利益を受ける権利)は委託者・受益者が保有します。

Q

土地信託の信託報酬はどのくらいですか?

A

信託銀行の信託報酬は、信託財産の評価額の年1〜2%程度が一般的です。収益の一定割合を報酬とする場合もあります。

Q

信託受益権を贈与する場合の税務は?

A

信託受益権の贈与は、通常の財産の贈与と同様に贈与税の対象となります。評価額は信託財産(土地・建物)の相続税評価額と同額です。

Q

土地信託は認知症対策になりますか?

A

なります。信託設定後は、委託者が認知症になっても受託者が財産管理を継続できます。ただし、信託設定時に委託者が判断能力を有していることが前提です。

Q

家族信託と土地信託(商事信託)はどちらがお勧めですか?

A

費用を抑えたい場合や柔軟な設計が必要な場合は家族信託、専門的な管理が必要な大規模な不動産や、受託者となる家族がいない場合は土地信託(商事信託)が適しています。

#不動産節税#土地信託#家族信託#相続対策#信託受益権
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