ストックオプションとは
ストックオプションは、会社が役員・従業員に対して、将来一定の価格(権利行使価額)で自社株式を取得できる権利を付与する制度です。会社の株価が上昇した場合、権利行使価額と市場価格の差額が利益となります。ストックオプションには、①税制適格ストックオプション(租税特別措置法の要件を満たすもの)と②税制非適格ストックオプション(要件を満たさないもの)があります。
税制適格ストックオプションの要件
税制適格ストックオプションの主な要件は、①付与対象者が会社の取締役・執行役・使用人であること(大口株主等を除く)、②権利行使価額が付与時の株式の時価以上であること、③年間の権利行使価額の合計が1,200万円以下(スタートアップ特例は3,600万円以下)であること、④権利行使期間が付与決議日後2年〜10年以内であること、⑤株式を証券会社等に保管委託することです。
| ストックオプションの種類 | 権利行使時の課税 | 株式売却時の課税 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| 税制適格ストックオプション | 課税なし | 申告分離課税(20.315%) | 20.315% |
| 税制非適格ストックオプション | 給与課税(最高55.945%) | 申告分離課税(20.315%) | 最高76.26% |
| 有償ストックオプション | 課税なし(有償取得のため) | 申告分離課税(20.315%) | 20.315% |
スタートアップ特例の活用
2023年の税制改正により、スタートアップ(設立5年未満・非上場・資本金5億円未満等の要件を満たす会社)が付与するストックオプションについて、年間権利行使限度額が1,200万円から3,600万円に拡大されました。また、株式保管委託の要件が緩和され、証券会社以外の信託銀行等への保管委託も認められるようになりました。
まとめ:税制適格ストックオプションは優秀な人材獲得の強力な手段
税制適格ストックオプションは、権利行使時の給与課税を回避し、株式売却時に20.315%の低税率で課税されるため、役員・従業員にとって非常に有利なインセンティブ制度です。スタートアップ特例の活用も含めて、ストックオプションの設計は税理士・弁護士と連携して適切に行うことをお勧めします。
